どうしてカステラにはいろいろな味が無いのだろう?

 

パウンドケーキや浮島には幅広い素材が使われて、いろいろな美味しさがあるのに、カステラにはほとんどバリエーションが無い。もっといろいろな味のカステラを食べてみたい、と考えたことが出発点でした。

 

多層のカステラ

 

いろんな味のカステラを作るには?と考えたアイデアが「層」になったカステラ。ひと口で様々な味が楽しめて、見た目もきれいに違いない、と試作を始めました。

 

他のお店が作らなかった理由

 

どこのお店のカステラを見ても、多層で作っているところが見当たりません。なぜなら、先人たちが作らなかったのには、シンプルな理由があったのです。。。カステラには焼き上がりのキメを整えるために、焼成途中に生地を混ぜる「泡切り」という工程があります。この泡切をすると、私の目指す「層」が混ざってしまい均一になってしまいます。さらに、焼く前の生地を型枠に流し込む時にも層が保てず混ざってしまうのです。あんこを混ぜて生地を固くすることで層を保つ、大納言カステラの製法がありますが、食感が固く重くなり、理想とは違ってしまいます。

 

 

卵と粉にまみれて試行錯誤

 

「かさねカステラ」に立ちはだかるこのような問題を、ああでもないこうでもないと試行錯誤。独自の器具を作ったり、特殊なオーブンを使ったり、製法を工夫したりすることで、少しずつ前進させ、当店独自の「かさねカステラ」の製法が出来ました。

開店した今でも日々改良を重ね、より美味しいものになるよう工夫をつづけています。

 

ぜひ一度、美味しさが層になった「かさねカステラ」をお試し下さい。